上海から海外に荷物を送る方法は、現実的には三つ。 料金なら中国郵政EMS、自宅集荷つきの中間ならSF Expressの国際便、速さならDHL、FedEx、UPS。
上海から海外に荷物を送る方法は、現実的には三つです。中国郵政EMSは追跡つきで料金が安く、多くの国で1箱20kgまで。SF Express(順豊)の国際便はもう少し速くて、自宅まで集荷に来てくれます。DHL、FedEx、UPSは数日で届くかわりに、料金は何倍にもなります。どれも窓口でパスポートが要りますし、電池や液体、粉類を個人客から受け付けてくれるところはありません。
海外に送るなら、どの業者を使えばいい?
お金を優先するか、時間を優先するか。そしてその差は、思っているよりずっと大きいです。
EMSは郵便なので、家から家まで追跡できて、荷物の詰まった箱を送るなら料金がいちばん安く上がります。SF Expressの国際便はその中間で、自宅集荷が簡単、追跡もしっかりしています。DHL、FedEx、UPSはとにかく速いぶん料金は本気で高いので、失えない書類用と割り切るのが賢いです。5箱を超えたら、引越業者のコンテナ混載(船便)がキロ単価ではどれよりも安くなります。
見積もりを比べる前にひとつ。国際便の料金は容積重量で決まります。つまり、大きくて軽い箱は重い荷物として計算されるということ。羽毛布団のほうが、ノートパソコンより高くつくわけです。ぎゅっと詰めて、入るいちばん小さい箱を使い、柔らかいものは空気を抜く。段ボールもテープもプチプチも、前日にタオバオで頼めば数元です。買い方はタオバオの使い方ガイドでまとめています。
逆に、送る側ではなく受け取る側なら、宅配ステーションや宅配ボックスの使い方を荷物の受け取りガイドで解説しています。
荷物を出すのにパスポートは要る?
要ります。中国では実名制の郵送ルールが全国で何年も運用されていて、差出人の身元が記録され、中身が確認され、X線検査を通ってから受け付けられます。パスポートを持参して、係員の目の前で箱を開けることを前提に、家では封をしないで持って行ってください。この封をしないという一点で、たいていの人が一度はやらかします。

並ばずに自宅集荷を頼むには?
多くの人にとってはこちらが楽な道です。ただ英語は期待するほど通じないので、手順を整理しておきます。
- SF Express(順豊)。WeChatで「顺丰速运」ミニプログラムを開くか、SFのアプリを開いて、荷物を送るを選び、集荷先の住所を入れて、送り先の種類で「国際」を選びます。電話なら95338、毎日つながります。配達員が自宅まで来て、その場で重さを量り、送り状を印刷してくれます。
- EMS。集荷は11183に電話するか、緑と黄色の看板の中国郵政の窓口に直接持ち込みます。大学の近くや役所のそばの支局は国際郵便の書類を扱い慣れていて、その分やりとりが早く進みます。
- DHL、FedEx、UPS。中国のサイトか電話で予約します。集荷の時間帯は狭く、個人の私物でもインボイス(商業送り状)を求められます。
送り先の住所は、相手の国の言語とラテン文字の両方で用意して、実際につながる電話番号も添えてください。受取人の電話番号がないことが、箱が海外の倉庫で止まってしまういちばん多い理由です。
送れないものは?

思っているよりたくさんあります。しかも窓口でその場で判断されるので、交渉の余地はありません。個人客として持ち込むなら、次のものは断られると思っておいてください。
- 電池、そして電池が入っているもの。リチウム電池単体やモバイルバッテリーは、その場で断られます。バッテリー内蔵の機器はケースバイケースで、法人向けの業者が必要になることが多いです。
- 液体、クリーム、粉、スプレー類。香水もスキンケアも、化粧品のほとんどが入ります。
- 食品、医薬品、サプリメント。お茶や包装されたお菓子は通ることもありますが、肉と乳製品は通りません。送り先の国のルールも別に乗ってきます。
- 燃えるもの、磁気を帯びたもの、圧力のかかったもの、それに武器や現金、コピー品は言うまでもありません。
割れ物や液体が入ると、EMSで1箱に入れられる重さの上限も下がるので、重くて割れやすい荷物は分けたほうが無難です。「香水も問題なく送れますよ」と言うお店があったら、それはルールではなく、あなたの荷物でリスクを取っている運送代理店です。

料金はいくらで、どれくらいかかる?
料金の仕組みはどこも同じで、はじめの500gか1kg分の初重料金があり、そこから追加分に単価がかかり、送り先の地域で区分されます。燃油サーチャージや路線の空き具合で動くので、記事に書かれた数字はすぐ古くなります。かわりに、こうしてください。
- 詰め終わった箱を体重計で量り、サイズも測ります。容積重量は縦かける横かける高さ(cm)を5000か6000で割った数字で、割る数は業者によって違います。
- SFのミニプログラムで見積もりを取ります。申し込む前に国際便の料金が出ます。
- 中国郵政の窓口で、その重さで自分の国までのEMS料金を聞いて、並べて比べます。
自分で何度も引っ越してきた実感として、同じ箱ならEMSは大手クーリエよりかなり安く収まり、数日の速さにはしっかり上乗せが乗ります。結婚式の招待状1通なら、その差額は気になりません。冬のコート18kgなら、それが予算そのものです。
向こうの国での通関と関税は?
税関の申告書は、正直に、具体的に書いてください。「贈り物」「私物」と書いて申告額を低くするのがよく言われるやり方ですが、これは裏目に出ます。箱が紛失したり壊れたりしたときの補償は、申告した額が上限になるからです。中身は実際どおりに(「綿のジャケット2着、靴1足、使用済み」など)、金額も現実的な数字を書きましょう。
関税をかけるのは中国ではなく受け取る国で、免税のラインは国によってかなり違います。受け取る人のところに、配達より先に関税の請求が届くこともあるので、ひとこと伝えておいてください。本や着古した服は静かに通ることが多く、新品の電子機器はまず引っかかります。
家財ぜんぶを送るときは?
4、5箱を超えたら、宅配便で考えるのはやめどきです。上海の国際引越業者はコンテナ混載の船便を扱っていて、家から家まで6週間から10週間と遅いかわりに、キロ単価は航空便よりぐっと安く上がります。見積もりは3社から書面で取り、金額に到着国での通関と配送が含まれるか、コンテナが止められたらどうなるかまで確認してください。本帰国なら、上海を引き払うチェックリストも並行して進めてください。発送は、口座の解約や居留許可の抹消まで含む長いリストの、たった1行です。
あなたに合うのはどれ
今週中に届かないと困る書類なら、DHL、FedEx、UPS。衣類や本の箱を実家に送って2週間待てるなら、EMS。自宅集荷と追跡のよさをほどよく取りたいなら、SF Expressの国際便。家一軒分を運ぶなら、引越業者のコンテナ混載の船便を、出発の6週間前から動き始めてください。
老子は「千里之行,始于足下」と書きました。千里の道も一歩から。あなたの箱は海を越えていきますが、始まりは正直に書いた1枚のラベルと、玄関に来た配達員です。
よくある質問
中国の身分証がなくても海外に荷物を送れる?
送れます。実名制の受付にはパスポートが使えます。写真ではなく、現物を持って行ってください。
EMSで送れる1箱の重さの上限は?
多くの国で国際スピード郵便1個あたり20kgが上限で、割れ物や液体が入る箱はもっと低くなります。それより重い荷物は複数口に分けられ、それぞれに料金がかかります。
ノートパソコンやスマホを実家に送れる?
リチウム電池を内蔵した機器は制限があり、窓口ではほとんど断られます。手荷物で持ち帰るほうが簡単ですし、どうしても送るなら危険物を扱える業者を使って、きちんと申告してください。
中国を出たあとの追跡はどうする?
レシートの送り状番号を控えておいてください。EMSの追跡は到着国の郵便に引き継がれるので、着いたあとは中国側より、その国の郵便サイトのほうが詳しくわかります。
上海から送るのと、超過手荷物とどちらが安い?
衣類のスーツケース1つ2つなら、自分の便の超過手荷物料金がいい勝負ですし、何より自分と一緒に着きます。持ちきれないもの、荷造りが終わる前に発つ場合は、送るほうが勝ちます。



