上海ではGoogle マップがまともに使えませんが、高徳地図(Amap・高德地图)は2025年1月から英語表示に対応しています。 設定の手順から検索のコツ、中国の銀行口座なしでタクシーを呼ぶ方法まで、順番に説明します。
結論から言うと、中国本土ではGoogle マップの位置がずれるため、地元の人はAmap、中国語で高徳地図(高德地图)と呼ばれるアプリを使っています。2025年1月からは英語表示に対応し、アカウントなしのゲストモードでも地図と地下鉄はそのまま使えます。Alipay(支付宝)かWeChat Payを連携すればタクシーも呼べます。ここでは英語のまま一通り使えるようになるまでを説明します。
上海に着いて最初の週、ホテルの前でGoogle マップを開いたら、青い点が道の向かいのビルの真ん中までふわふわと移動していって、静かに焦りました。中国本土ではGoogle マップがきちんと動かず、スマホを再起動しても直りません。代わりに地元の人がほぼ全員使っているのがAmap、こちらでは高徳地図(高德地图)と呼ばれるアプリです。ありがたいことに、2025年の初めからようやく英語が通じるようになりました。中国語をひとことも使わずに設定して使う方法を、そのまま順番に紹介します。
上海でGoogle マップが使えないのはなぜ?
中国では地図に独自のずらした座標系を使うことが決められていて、このずれは通称「火星座標」と呼ばれます。Google はその補正済みの現地データのライセンスを取っていません。そのためGoogle のピンは数メートルから200メートルほどずれることがあり、目的の入口を探しているときには役に立ちません。Amap とApple マップはどちらも中国の正しいデータを使っているので、青い点が実際に立っている場所に表示されます。
Amapは英語で使えますか?
使えます。2025年1月、Amapは十数の言語とあわせて公式の英語インターフェースを公開しました。中国の大手地図アプリとしては最初の対応です。メニューもボタンも、曲がるたびの音声案内も英語に切り替わります。手順は次のとおりです。
- 右下のMe / 我的(プロフィールのアイコン)をタップします。
- Settings / 设置の歯車をタップします。
- Generalを開き、Language / 语言に進みます。
- Englishを選びます。アプリが英語表示で読み込み直されます。
正直に補足すると、画面は英語になっても、店名は中国語のままのものが多く残ります。Amapが参照しているデータベースに中国語名しか入っていないためです。大きなランドマークやホテルはたいてい英語で出ますが、角にある麺屋さんはまず出ません。これは不具合ではなくそういうもので、下に簡単な回避方法があります。

Amapを使うのに中国の電話番号は必要ですか?
地図とナビだけならいりません。ゲストモードのままアカウントなしですぐ使えて、徒歩でも地下鉄でも、場所探しでも問題ありません。ログイン(電話番号が必要)が要るのは、お気に入りの保存、同期、そしてタクシーの配車のときだけです。海外の番号に認証コードが届くかどうかは運次第で、そのまま受け取れる番号もあれば、弾かれる番号もあります。もし弾かれてしまい、機能を全部使いたいなら、現地SIMを買えば数分で解決します。上海のSIMカードガイドに入手の流れをまとめています。
英語の名前しか分からない場所(または中国語の名前)はどう検索しますか?
英語名での検索は、大きくて有名な場所ならうまくいきます。「The Bund」「静安寺」「上海博物館」などです。ホテルやクリニック、小さな店や支店になると、とたんに当てになりません。長く住んでいる人がみんな使っている手はこれです。
- 予約確認やWeChatのメッセージに中国語の名前や住所があれば、それをコピーします。
- 中国語のままAmapの検索窓に貼り付けます。これなら目的の場所が毎回そのまま出てきます。
- 出かける前に、行き先の中国語をクリップボードに入れておきます。レストランとクリニックはとくに大事です。
ホテルのフロントや店のWeChat、中国語が分かる友人に中文の名前を聞いておけば、移動の途中で迷うことはなくなります。
Amapでタクシーを呼ぶには?
ここがAmapの地味に強いところです。Amap自体は車を持たず、配車アグリゲーター(聚合打车)として、DiDi、T3、CaoCaoなど十数社の認可された事業者に一度にリクエストを飛ばし、料金の目安と近くにいる車の台数を見せてくれます。DiDi単体では一台も出てこないときでも、アグリゲーター経由なら見つかることがよくあります。
Amapの中に銀行カードを直接ひもづけることはできません。支払いはウォレット経由になります。
- 先にAlipay(支付宝)かWeChat Payを用意して、カードを登録します。どちらも海外発行のVisaとMastercardに対応しているので、中国の銀行口座は必要ありません。AlipayとWeChat Payのガイドで詳しく説明しています。
- Amapから聞かれたときにそのウォレットを連携すれば、料金は自動で引き落とされます。
Amapの配車画面が使いにくいと感じるなら、DiDi単体のアプリにも英語モードがあり、海外の番号で登録でき、海外のカードもそのまま使えます。どちらも車なしで上海を移動するガイドで扱っています。運転手も地元の人も口をそろえて言う注意がひとつあります。乗車ピンの「近く」ではなく、ピンのちょうど上に立ってください。そうしないと運転手が周りを一周してキャンセルします。

Amap、Apple マップ、百度地図のどれを使う?
新しく来た人にはいつも、こう正直に伝えています。
- Apple マップ(iPhone):手間がかからないのが利点です。英語(日本語)表示のままで設定もいらず、裏側ではAmapの中国データが動いているので位置も正確です。ふだんの移動には十分。ただし配車機能はなく、店の情報は薄めです。
- Amap:英語に対応した今は、総合力で頼りになる一本です。ルート案内が正確で、地下鉄とバスの情報が細かく、配車アグリゲーターとリアルタイムの渋滞情報もあります。歩く以外のこともするなら、入れておくならこれです。
- 百度地図:店舗データが豊富で、街歩き好きに好まれることもありますが、英語対応は弱く、設定の手間も大きめです。第一候補というより予備の一本です。
私の使い分けは、方角をさっと確かめるのがApple マップ、乗り換えとタクシーがAmapです。
地元の人が実際に使っているAmapの機能
- 何両目に乗るか:乗換案内が、出口や乗り換え通路に合う車両を正確に教えてくれます。ホームを全力で走らずに済みます。
- 信号のカウントダウン:多くの交差点で赤信号の残り秒数が出ます。妙にクセになりますし、運転や自転車のときは本当に助かります。
- オフライン地図:上海の地図(だいたい50〜150MB)をダウンロードしておけば、地下のモールで電波が切れてもナビが動き続けます。
- 周辺検索:カテゴリをタップすれば、近くの地下鉄の出口、ATM、トイレ、薬局が出ます。
よくあるトラブルと対処法
- アップデート後に中国語へ戻った:Me、Settings、Language をもう一度開いてEnglish に設定し直します。更新でリセットされることがあります。
- 英語の項目が見当たらない:アプリストアの国やバージョンによって出ないことがあります。アプリを更新するか、別アプリの国際版(ストアでは「AMap Global」)を入れてください。こちらは最初から英語で開きます。
- 青い点がずれる:高層ビルの間ではGPS が200メートルほどぶれることがあります。少し開けた場所に出れば元に戻ります。
- 遠回りのルートが出る:Amapはときどき妙な道を選び、再検索も遅れがちです。出発前に、表示される候補ルートを見比べてください。
よくある質問
AmapはVPNなしで使えますか?
使えます。Amapは中国国内のアプリなので、中国のネットワークでそのまま動きます。VPNはいりません。ここで苦労するのはGoogle マップのほうで、Amapではありません。
中国の銀行口座なしで、AmapからDiDiを呼べますか?
呼べます。海外発行のVisaかMastercardをAlipayかWeChat Payに登録し、そのウォレットをAmapに連携してあれば大丈夫です。料金はウォレットから引き落とされます。
短い旅行なら、Apple マップとAmapのどちらがいいですか?
iPhoneで数日観光するだけなら、Apple マップが手間が少ないです。タクシーや細かい乗換案内も使いたいなら、Amapを足してください。
英語表示なのに店名が中国語のままなのはなぜですか?
小さな店はAmap側に中国語名しか登録されていないことが多く、英語表示にしていてもそのまま出ます。中国語名を検索窓に貼り付ければ出てきます。
AmapとAMap Globalは何が違いますか?
Amap(高徳地図)は地元の人が使っている中国本土向けのアプリで、今は英語設定があります。AMap Globalは国際版で、最初から英語で開き、ほかの国の地図も見られます。上海ではどちらでも使えますが、現地の細かい情報を取るなら、まずAmapを試してみてください。
青い点が実際に立っている場所に表示されて、タップ3回でタクシーが呼べるようになると、上海は急に迷路ではなくなります。必要になる前にAmapを設定しておき、行き先の中国語をクリップボードに入れておけば、この街をきちんと自分の足で動き回れます。



