上海の家庭ごみは、湿ごみ、乾ごみ、リサイクル資源、有害ごみの四分別。 しかも、ちゃんと見ている人がいます。
上海に住みはじめた最初の週のことです。団地の阿姨(アイさん)が私の手からコーヒーカップをそっと取り上げ、残った液体をひとつの箱に流し、カップを別の箱に落とし、プラスチックのふたを剥がしてさらに別の箱へ入れました。飲み物ひとつで三種類のごみを出し、そのすべてを間違えていたわけです。引っ越したばかりで、階下に並ぶ四つの箱が「勉強していない試験」のように見えているなら、これは当時の私が誰かに教えてほしかった、いちばん噛み砕いた説明です。
上海のごみ四分別とは?
上海の家庭ごみは、湿ごみ(生ごみ)、乾ごみ(その他の残りごみ)、リサイクル資源、有害ごみの四つに分かれます。2019年7月から市の生活ごみ管理条例で義務化されていて、家庭にもオフィスにも店にも適用されます。実際に箱へ書いてあるのは中国語なので、この四語だけは覚えておく価値があります。
- 湿垃圾(湿ごみ)、多くは茶色か青緑の箱:食べ残しや台所から出る生ごみ。
- 干垃圾(乾ごみ)、黒かグレーの箱:どこにも当てはまらない一般の残りごみ。
- 可回收物(リサイクル資源)、青い箱:紙、プラスチック、ガラス、金属、布類。
- 有害垃圾(有害ごみ)、赤い箱:電池、電球、薬、薬品類。
この四つの中国語が頭に入れば、混乱の八割は消えます。あとは、迷いやすい物がどの箱に行くかを知るだけです。

湿ごみと乾ごみ、みんながつまずく境界線
ほぼ全員がここで転びます。「湿」は文字どおり濡れているという意味ではないからです。湿ごみ(湿垃圾)は分解されやすい食べ物。残り物、ごはん、野菜の皮、果物、卵の殻、コーヒーかす、茶葉、魚や鶏の細い骨、しおれた花などが入ります。地元の人が使う目安は、豚が食べられるか、すぐ腐るかどうかです。
乾ごみ(干垃圾)は腐らず、リサイクルもできないもの全般。ティッシュ、紙ナプキン、おむつ、ラップ、陶器、割り箸、たばこの吸い殻、ペン、掃いたほこりなど。ややこしいことに、いくつかの「食べ物」もここに来ます。硬すぎて堆肥にならないためで、大きな骨、ドリアンの殻、ココナッツの殻、とうもろこしの芯、あさりや牡蠣の殻は、湿ごみではなく乾ごみです。
もうひとつ身につけたい習慣が、デリバリー容器の扱いです。中身は湿ごみに落とし、すすいだプラスチック容器ならリサイクル資源へ。ただし油のしみた紙の弁当箱は乾ごみです。よく注文するなら、美団と餓了麼でのデリバリー注文ガイドと合わせて読むと効きます。毎日の分別判断のほとんどは、デリバリーから生まれるからです。
上海でリサイクルに出せるものは?
リサイクル資源(可回收物)は、紙、段ボール、汚れていないプラスチック、ガラスの瓶や保存容器、金属の缶、古着などの布類です。キーワードはきれいであること。ヨーグルトの容器はすすぎ、段ボールはたたみます。油がしみたピザの箱はリサイクルできず乾ごみですが、同じ箱でも汚れていないふたなら青い箱で大丈夫です。
段ボール、ペットボトル、金属のように値段がつくものは、売ることもできます。多くの団地には廃品回収の人が来ますし、支付宝(アリペイ)のリサイクル系ミニプログラムを使えば、重さを量って買い取りに来てもらえます。小さなことですが、淘宝(タオバオ)でまとめ買いしたあとに積み上がる箱の始末としては、いかにも上海らしくて気持ちのいい方法です。
有害ごみとは何で、どこへ出す?
有害ごみ(有害垃圾)は、人や環境に害を与えうるものです。使用済み電池、蛍光管や省エネ電球、期限切れの薬とその包装、体温計、塗料、農薬など。これらは小さな赤い箱に入れます。各棟の階段脇ではなく、メインの分別ステーションのそばに置かれている団地がほとんどです。たまるのが遅いので、切れた電池を一週間持ち歩いて、やっと正しい箱に出会うこともあります。それが普通です。面倒だからと電池を乾ごみに放り込むのはやめましょう。

上海暮らしを始めた人がいちばん間違えるもの
ごみ置き場でほぼ毎週、混乱のもとになっているのがこのあたりです。
- 牛乳やジュースの紙パック:すすいでたたんでリサイクル資源へ。すすいでいなければ乾ごみです。
- タピオカミルクティー:液体を捨て、タピオカは湿ごみ、カップとストローは乾ごみ。甘い飲み物が入ったカップは、もうリサイクルできません。
- 大きな骨と貝殻:湿ごみではなく乾ごみです。
- 使用済みのティッシュとウェットティッシュ:濡れていても、必ず乾ごみです。
- 食用油や油汚れ:流しには絶対に流さないこと。少量ならキッチンペーパーに吸わせて乾ごみへ。
- 古着や靴:リサイクル資源、または団地にある寄付ボックスへ。
- 割れた陶器やガラスのマグ:乾ごみです(グラスやマグは基本的にリサイクルできません)。一方、きれいなガラス瓶や保存瓶はリサイクルできます。
ごみはいつ、どこに出す?
多くの住宅団地は定時定点(決まった時間に決まった場所へ)の方式をとっていて、分別ステーションが開くのは決められた時間帯だけです。よくあるのは朝に二時間ほど、夕方に二時間ほど、たとえば7時から9時、18時から20時といった具合。その時間外は箱に鍵がかかっていたり、係の人が見ていたりします。新しい団地では終日開いているところも増えていますし、サービスアパートメントなら分けた袋をスタッフに預けられることも多いです。時間は地域ごとに決まっていて通りひとつで変わるので、正確な時間は建物の管理事務所(物業)か大家さんに確認してください。まだ落ち着いていない時期なら、上海で損をしない部屋の借り方で、管理事務所から答えを引き出すコツにも触れています。
分別しないと、本当に罰金?
制度上はあります。分別を拒む個人には50元から200元の過料、事業者にはより重い罰則が定められています。ただ住民への実際の運用では、その場でいきなり罰金というより、団地のボランティアや管理事務所から穏やかに、そして次はきっぱりと注意が入るのが普通で、繰り返しや悪質なケースが処分につながります。本当の抑止力は社会的なプレッシャーです。阿姨に二度も直される隣人にはなりたくないですし、正直なところ、慣れてしまえば分別にかかるのは一日十秒ほど、それだけです。
どの箱かわからないときの調べ方
どうしても判断がつかないときは、簡単な方法が三つあります。
- 支付宝(アリペイ)か微信(ウィーチャット):支付宝を開いて「垃圾分类」と検索すると、判定ツールが使えます。品名を入力するか話しかけると分類を教えてくれます。微信にも同じようなミニプログラムがあります。
- 阿姨やごみ置き場の係の人に聞く。一日中分別している人たちなので、たいてい喜んで教えてくれます。私がいちばん早く覚えたのは、この方法でした。
- 絵を見る。今はほとんどの箱にイラスト付きのラベルがあり、四色は市内で共通です。家で覚えてしまえば、上海のどこでも同じように分けられます。
分別が試験のように感じられるのは、せいぜい最初の数週間です。スマホをかざして支払うことや、地下鉄のQRコードをスキャンすることと同じで、じきに体が覚えます。新しい部屋にまつわる細かな生活の手続きについては、車なしで上海を移動するガイドが次の一本におすすめです。
よくある質問
専用のごみ袋を買う必要はありますか?
いいえ。家庭向けに色分けされた指定袋の制度はありません。家では自分の袋に分けて入れ、対応する公共の箱に中身を移すだけです。台所に小さな箱を二つ置き、湿ごみ用と乾ごみ用にしている人も多く、これがいちばんラクです。
回収が一日二回だけなら、湿ごみはどうすれば?
においが気になるなら、ふた付きの小さな容器に入れるか、袋ごと冷凍庫に入れて次の時間帯まで待ちます。上海の暑さは湿ごみをあっという間に変えてしまうので、6月から9月はふたが頼りになります。
袋そのものは湿ごみですか、乾ごみですか?
中身を湿ごみの箱に空けてから、袋は乾ごみへ(きれいで几帳面にやるならリサイクル資源でも)。湿ごみは袋なしで出すのが理想とされていて、だからこそ多くのステーションで、中身だけ入れて袋は持ち帰るよう案内されています。
サービスアパートメントやホテルでも同じですか?
分類は同じですが、最終的な仕分けはスタッフがすることが多いので、部屋では湿と乾を分けるだけで済む場合もあります。初日にフロントで聞いておきましょう。
まともな分別箱がない団地は、どこに相談すれば?
まずは管理事務所に伝えてください。市の12345市民ホットラインでも公共サービスに関する相談を受け付けていて、英語対応があり、ごみ関連施設の苦情も扱っています。



