中国からは一人あたり年間5万米ドルまで海外へ送金でき、正しい書類をそろえれば税引き後の給料はそれに加えて本国へ送れます。 上海の銀行から実際にどうやるのか、順を追ってご紹介しますね。
まず結論から。個人であれば、中国本土から1年(暦年)ごとに5万米ドル相当までを外貨に両替して海外へ送ることができます。この枠は毎年1月1日にリセットされます。さらに、こちらで働いている外国人の方なら、書類をそろえれば税引き後の給料をこの枠とは別に本国へ送金できます。この記事では、その具体的なやり方、必要な書類、そして送金がはねられてしまいがちな失敗について書いていきますね。
私自身、数え切れないほどこの手続きをしてきました。実家への仕送り、家族のため、別の国で住まいの頭金を払うため。ルールさえわかってしまえば難しくはありませんが、銀行が手取り足取り教えてくれるわけではありません。それに、ネットでよく見る「アプリを使えばいい」というアドバイスの半分は、そうしたアプリの多くが人民元を合法的に中国の外へ動かせないという事実をこっそり無視しています。ここでは、実際にちゃんと使える方法をお伝えします。
中国から送金できる年間の上限はいくら?
中国人か外国人かを問わず、個人には一人あたり年間(暦年ごと)5万米ドル相当の外貨購入枠があります。リセットは1月1日です。これは、特別な承認なしに人民元を外貨へ両替して銀行経由で海外へ送れる金額です。この枠を超えることも不可能ではありませんが、その場合は必要書類をそろえて地元の国家外貨管理局(SAFE、国家外汇管理局)へ申請することになります。時間がかかりますし、銀行の窓口でさっと通してもらえるものではありません。
見落としがちな点がひとつ。この枠はあくまで「両替」に関するものです。すでに中国の口座で外貨を持っている場合(たとえば給料の一部が米ドルで支払われていたなど)、それを海外へ動かすときは、必ずしも同じ枠を消費するとは限りません。ご自分の口座がどう扱われるかは、銀行に確認してみてください。

外国人は上海の給料を本国へ送れる?
はい、送れます。そして、ここでつまずく方が多いところです。中国で合法的に雇用されている外国人であれば、税引き後の給料を海外へ送金できます。これは正当な所得の本国送金とみなされるため、基本的には通常の枠を消費するのではなく、それとは別枠で扱われます。銀行が確認したいのは、そのお金が本物で、きちんと課税された給料だという証拠です。
- パスポートと有効な居留許可、または就労系ビザ。
- 雇用契約書。
- 送金したい金額をカバーする個人所得税の納税記録(納税証明書、または税務システムからの印刷物)。
- 給料が口座に振り込まれていることがわかる直近の給与明細、または銀行の取引明細。
中国銀行(Bank of China)や工商銀行(ICBC)などの一部の銀行では、税引き後の給料のうち一定割合を毎月自動的に本国の口座へ送金する仕組みを設定できます。定期的に本国へ送金しているなら、これをお願いしてみてください。毎回窓口に行く手間が省けます。
中国の銀行から海外送金する手順は?
1. 銀行の支店へ直接行く
個人の海外向け送金は、ほぼ必ずアプリではなく窓口での手続きになります。パスポート、キャッシュカード、(SMS認証コード用の)スマホ、そして給料を送金するなら上に挙げた書類を持っていきましょう。外貨窓口は時間がかかることがあるので、一日のうち早めの時間に行くのがおすすめです。
2. 受取人の情報を用意しておく
必要なのは、受取人の口座名義どおりの正式なフルネーム、口座番号またはIBAN、銀行のSWIFT/BICコード、そして銀行名と住所です。SWIFTコードの間違いは送金が止まる一番よくある原因なので、受取先の銀行に必ず再確認してください。
3. 海外送金の申込書と送金目的を記入する
送金の目的(家族への支援、貯蓄、不動産、学費など)を記載します。正直に、そして一貫して書きましょう。申告した目的は書類と一致している必要があります。給料の本国送金なら、目的はご自身の所得となります。
4. 手数料を払い、控えを保管する
送金手数料(銀行や金額によりますが、だいたい100〜260元前後のことが多いです)に加えて、電信送金手数料がかかります。さらに受取側の銀行が中継手数料を差し引くこともあります。押印済みの控えと取引番号は保管しておきましょう。お金は通常、1〜3営業日で届きます。

Wise、PayPal、アプリでの送金はどう?
ここは正直にお答えするのが大事なところです。支付宝(Alipay)と微信支付(WeChat Pay)は中国国内では本当に便利ですが、一般の個人が人民元を海外の銀行口座へ送ることはできません。PayPalも、中国本土の残高からお金を外へ動かすという用途では使い勝手が限られていて、独自の手数料や制限もついてきます。Wiseや類似のサービスは、中国へ送金する(into)場合や、他国どうしの送金にはとても優秀ですが、中国のカードから人民元で送金元を用意して中国の外へ(out)送るという使い方は、基本的にできません。というのも、この両替と海外への送金というステップこそが、中国の外貨規制が管理している部分だからです。
ですから、本当にお金を国外へ動かすには、規制された銀行送金がやはり頼りになるルートです。アプリは国内での支払いや、海外から中国への入金のためのものだと考えてください。もし、銀行のシステムを通さずに多額の人民元を即座に安く海外へ動かせるとうたうサービスがあれば、それは近道ではなく危険信号だと受け止めましょう。
2026年に送金の何が変わった?
2026年1月1日から、銀行は国境をまたぐ送金に対してより厳格な本人確認を行うようになりました。実際には、およそ5,000元または1,000米ドルを超える海外向けの取引で、送金する本人へのより詳しい本人確認が行われるようになっています。これによって5万ドルの枠が下がるわけではありませんが、書類がきちんと整っていて、申告した目的と一致している必要があるということです。窓口では少し余裕をもって時間をとり、必要だと思う以上の書類を持っていきましょう。
みんなが実際にやっている、合法でストレスの少ない方法
- 1月のリセットに合わせて計画する。大きな送金があるなら、12月下旬と1月上旬に分ければ、2年分の枠を合法的に使えます。
- 給料は給料として本国送金する。納税記録は初日からきちんと整えておきましょう。それが、枠に手をつけずに稼ぎを本国へ送るためのカギになります。
- 他人の枠を「借りない」。上限を回避するために、一人分のお金を友人や同僚の5万ドル枠に分けて送るのは違法で、銀行もそれを監視しています。クリーンにいきましょう。
- 控えはすべて保管する。きれいな書類の記録があれば、次の送金がぐっと楽になります。
銀行口座と決済アプリさえ整えば、これはもう日常の作業になります。まだ済ませていないなら、まずは上海で中国の銀行口座を開設する方法のガイドと、外国人として支付宝(Alipay)と微信支付(WeChat Pay)を設定する方法のガイドから始めてみてください。
よくある質問
中国からは年間いくらまで持ち出せる?
標準の外貨枠を通じて、一人あたり年間(暦年ごと)5万米ドル相当までで、1月1日にリセットされます。外国人は、必要書類をそろえれば税引き後の給料をそれに加えて本国送金できます。
毎月自動で給料を本国へ送れる?
はい。中国銀行(Bank of China)や工商銀行(ICBC)などの銀行では、契約書と納税記録を提出すれば、税引き後の給料のうち一定割合を毎月本国送金する設定ができます。
銀行へ直接行く必要はある?
海外向けの送金については、ほぼ必ず必要です。個人の海外送金はアプリではなく窓口で扱われます。
支付宝(Alipay)や微信(WeChat)で海外送金できる?
いいえ、個人が海外の銀行口座へ送ることはできません。中国からお金を外へ動かすには銀行送金を使いましょう。
給料を本国送金するのに必要な書類は?
パスポートと居留許可、雇用契約書、個人所得税の納税記録、そして所得がわかる給与明細または取引明細です。



