上海で中国の銀行口座を開く方法:窓口で実際に起こること
「Alipay(支付宝)で全部済むから、こっちで銀行口座なんていらないよ」ってみんな言うんですよね。 初めてのお給料が振り込まれるその日までは。
去年の春、友人が上海で暮らし始めるのを手伝っていたとき、周りのみんなが口をそろえて同じことを言いました。「もう中国の銀行口座なんて要らないよ、Alipay(支付宝)で何でもできるから」。確かにそのとおりです。ただし、必要になる瞬間が来るまでは、ですが。勤務先が給料の振込先として現地の口座番号を求めてきたり、大家さんが家賃を銀行振込でと言ってきたり、決済アプリを海外カードよりもっと安定したものに紐づけたくなったり。そうなった途端、口座は「あってもなくてもいいもの」ではなくなります。というわけで、どのビザなら開設できるのかから、カードを手にして銀行を出るまで、一連の流れをまとめました。パンフレットに書いてある建前ではなく、実際にどう進むのか、という視点でお話しします。
ステップ1:自分のビザで開設できるか確認する
ここがすべての大前提です。上海の銀行は、有効な非観光ビザや居留許可を持っていれば個人口座を開いてくれます。就労(Zビザ)、留学(Xビザ)、家族帯同(Qビザ)、人材(Rビザ)、私用(Sビザ)、商用(Mビザ)といったカテゴリーは、実際どれも開設可能で、なかでも就労と留学のステータスがいちばんスムーズです。観光ビザで来ている場合は、窓口で丁寧にお断りされると思っておいてください。まずはビザをきちんと整えること。それがないと銀行では何ひとつ進みません。
ステップ2:出かける前に3つそろえる
- パスポート、そしてビザまたは居留許可。コピーではなく原本を。パスポートに貼られた居留許可のシールがこれにあたります。
- 自分名義で登録された中国の携帯電話番号。これが意外と落とし穴になります。手続きの途中で銀行から認証コードがこの番号に送られてくるので、同僚の番号を借りたものではなく、必ず自分の実名で登録された番号でなければなりません。列に並ぶ前に、SIMカードだけは先に用意しておきましょう。
- 住所証明。賃貸契約書か公共料金の請求書で大丈夫です。求められる支店もあれば求められない支店もありますが、持ってこなかった日にかぎって求められるものです。
窓口では、個人の税務上の居住地に関する申告書にもサインします。見た目はいかめしいですが、中身は難しくありません。どこで税金を納めているかを書く定型の書類で、記入すべき欄はスタッフが指で示してくれます。
ステップ3:銀行を選ぶ
最初の一口座なら、大手の国有銀行が現実的な選択です。どの地区にも支店があり、どの勤務先もそのシステムを把握しているからです。中国工商銀行(ICBC、ホットライン95588)と中国銀行(Bank of China、95566)はネットワークが最も広く、外国パスポートの扱いにも慣れています。中国建設銀行(China Construction Bank、95533)と中国農業銀行(Agricultural Bank of China、95599)も外国人の口座を開設してくれます。アプリの英語対応をとても重視するなら、招商銀行(China Merchants Bank)について職場で聞いてみてください。ここのアプリは、ほかの多くよりも英語モードが充実しています。どこを選ぶにしても、静安(Jing'an)や徐匯(Xuhui)まわりのように国際的な住民が多いエリアの支店は、この手続きを何百回とこなしてきたスタッフがいる傾向があります。
本当に役立つコツをひとつ。出かける前に、ホットラインに電話するか、中国語を話せる友人に頼んで、その支店が外国パスポート保持者の口座を開設しているかを確認してもらいましょう。すべての支店が対応しているわけではなく、2分の電話一本が、無駄になる午後をまるごと救ってくれます。
ステップ4:支店にて
- 入り口近くの機械で番号札を取る。スタッフが声をかけてきたら(たいてい声をかけてくれます)、魔法の言葉は「開戸(kaihu、开户)」、口座を開く、です。個人向け窓口へ案内してもらえます。
- パスポートを渡し、いくつか質問に答える。口座の用途(給料の受け取り、日常の支払いなど)、勤務先や通学先はどこか、といったことです。係の人が書類を一式コピーし、あなたは書類にサインをして、携帯に認証コードが届き、キーパッドで6桁の暗証番号を設定します。この部分は焦らずやりましょう。ここでの暗証番号は、多くの国よりも使う機会が多いので、より大事になります。
- UnionPay(銀聯)のデビットカードを手にして帰る。ほとんどの支店では、その日のうちに、同じ来店の中でカードが発行されます。窓口を離れる前に、モバイルバンキングの設定を手伝ってもらい、希望すれば新しいカードをAlipay(支付宝)やWeChat Pay(微信支付)に紐づけてもらいましょう。係の人なら2分で終わりますし、家でメニューを翻訳しながら格闘する夜を丸ごと省けます。
正直なところ、どんな感じか
平日の午前中を、ある程度まるっと空けておきましょう。あっという間に終わる来店もあれば、そうでない来店もあり、その差はたいてい書類の問題ではなく行列の長さです。イヤホンを持って、気長な気持ちを持って。そして最初の支店が、よくわからない理由で断ってきたら、同じ銀行の別の支店を試してみてください。運用は支店ごとにばらつきがあり、2回目はすんなり通ることも多いです。カードが財布に収まり、決済アプリに紐づいてしまえば、その存在をほとんど忘れて過ごすことになります。それこそが、銀行口座に望む理想の姿ですよね。



