上海のブランチは、飲み放題のプロセッコで一日中盛り上がるタイプから、静かにフラットホワイトを味わう朝まで、幅がとても広いのが特徴です。 どちらのお店なのかを見分けられるだけで、休日が台無しになるのも、うっかり500元を無駄にするのも防げます。
知っておきたいポイント
- こんな時に: 週末に友だちとゆっくり過ごす長めの集まりに。飲み放題でわいわい楽しむのも、静かに一皿とおいしいフラットホワイトを味わうのも自由です
- 予算の目安: 飲み放題(フリーフロー)は一人あたりおよそ300〜600元。アラカルトで頼むほうが落ち着いていて、120〜250元ほどと手ごろです
- 賢い楽しみ方: 予約の前に「飲み放題」か「アラカルト」かを決めておくこと。徐匯区の人気店は真っ先に埋まるので、早めの予約が肝心です
上海で「ブランチ」が意味するもの
上海のブランチは、単なるメニューではなく週末の儀式のようなものです。土曜と日曜のだいたい11時から15時ごろに行われ、多くの外国人在住者にとっては一週間の社交の中心。水曜日には予約を入れ、お昼にお店に集まり、16時になってもまだ「このあとルーフトップバーに移動する?」と話しているような時間です。その舞台になるのが、徐匯区と静安区西側に残る古い里弄(路地の集合住宅)エリア。プラタナス並木の通り、低層のヴィラ、カフェのテラス席が、雰囲気づくりの半分を担ってくれます。

まず押さえておきたいのが、まったく異なる2つのスタイルがあるということ。集まる客層も、最終的な会計も大きく変わってきます。
飲み放題(フリーフロー)かアラカルトか
- 飲み放題(フリーフロー)。 決まった料金で、90分から2時間ほどの制限時間内はドリンクが飲み放題になるスタイル。料理はセットまたは半セットになっていることが多いです。プロセッコやミモザ、お店によっては本格的なカクテルのリストも。にぎやかで社交的、午後をまるごと使い切るタイプのブランチです。予算はスパークリングワインなら控えめ、しっかりしたカクテル込みなら高め、一人あたり300〜600元が目安です。
- アラカルト。 食べたいものを頼み、飲みたいものを飲むスタイル。エッグベネディクト、シャクシューカ、アボカドトースト、おいしいフラットホワイト、それに一杯だけブラッディマリー、という具合です。落ち着いていて予算も控えめ、料理そのものをしっかり味わいたい人にはこちらがおすすめ。一人あたり120〜250元ほどを見ておきましょう。
どちらが上ということはなく、単に日曜日の過ごし方が違うだけです。ありがちな失敗は、静かに近況を語り合いたかったのに飲み放題を予約してしまうこと。DJの音にかき消されながら会話しようとしているうちに、友だちがいつの間にか出来上がっている、という展開になりがちです。
エリア別ブランチガイド
武康路・安福路(徐匯区)
ここが上海ブランチの中心地。覚えるエリアを一つだけに絞るなら、迷わずここです。安福路、武康路、永康路、常熟路のあたり(地下鉄1号線と7号線の乗換駅、常熟路駅周辺)は、テラス席がいちばん美しく、道行く人を眺めるのにも最高の一角。本格的な西洋式ブランチ、しっかりしたコーヒー、そして歩いてお店をはしごできるほどよい距離感がそろっています。予約が真っ先に埋まるエリアでもあるので、こここそ事前予約が本当に効いてきます。

静安区
徐匯区の路地から北へ上がり、南京西路(地下鉄2号線・12号線・13号線)とその裏手あたりまで来ると、ブランチはより洗練され、ホテル主導の雰囲気になります。きちんと整った空間、本格的なカクテルのラインナップ、そして少しめかし込んだ客層を求めるならこのエリア。誕生日のお祝いや、印象づけたいデート、あるいは実質は面接のような仕事のブランチにも向いています。
新天地と外灘(バンド)
美しくて街の中心にあり、初めて上海を訪れる人が行き着きやすい場所です。料理は本当においしいこともありますが、立地の分だけ料金は割高になりますし、同じことをしている大勢の観光客と空間を分け合うことになります。たまに行くぶんには十分。とくに友人が上海に遊びに来て「絵はがきのような景色」を求めているときにはぴったりです。ただ、上海に暮らす外国人がふつうの日曜日を過ごす場所ではありません。
西岸(ウェストバンド)と徐匯の川沿い
比較的新しい選択肢です。川沿いに広がる開放的な空間はテーブルの間隔もゆったりで、グループにもベビーカーにも犬連れにも向いたつくり。徐匯区のヴィラのような趣は少なめですが、そのぶんゆとりがあります。8人での集まりや、動き回りたい盛りの小さな子ども連れなら、ここを選ぶ価値は十分です。
気分で選ぶブランチ
一日中飲むにぎやかな飲み放題
飲み放題と音楽、そして14時以降の予定はなし。そんな日にはコツがあります。制限時間は90分よりも2時間のお店を選び、スパークリングワインのみか、カクテルも込みかを確認し、料理がセットなのかビュッフェ形式なのかもチェックしておきましょう。良いお店はほどよいペースでドリンクを出してくれるので、ほろ酔いで済み、つぶれずにいられます。良くないお店はぬるいプロセッコを注ぎ、あなたが気づかないことを願うだけです。

静かに、本気でおいしいコーヒーと
ときには、卵料理と、バリスタが丁寧に淹れたフラットホワイトと、ちゃんと聞こえる会話がほしくなるものです。上海はいま、世界でも指折りの個性派コーヒーシーンを持つ街のひとつ。そうしたロースターの多くは、派手さはないけれど手堅いブランチの一皿も出してくれます。コーヒーがいちばんの目的なら、別の上海コーヒーガイドもあわせてどうぞ。ただ、落ち着いた朝を過ごしたいなら、小さな厨房、アラカルト、そしてDJブースのない静かな空間を選びましょう。
子ども連れにやさしいブランチ
子ども連れになると、優先順位はがらりと変わります。テーブルの間隔、小さな子でも食べられるシンプルな料理があるかどうか、できれば屋外席や少し歩き回れるスペース、そしてハイチェアが登場しても嫌な顔をしないスタッフ。こうした条件では、狭めの静安区のお店よりも、西岸や徐匯区の広めのヴィラ系のほうが相性が良い傾向にあります。
見て、見られて
料理が主役のブランチもあれば、空間とそこにいる人が主役のブランチもあります。「見て、見られて」を楽しみたい人たちは、いちばんにぎわう武康路や復興路の角のテラス席、そして静安区のホテルの一室に集まり、それにふさわしい装いで、ピークにあたる12時半の席を予約します。それが悪いわけではありません。ただ、料金の一部は「周りの客層」への対価でもある、と分かったうえで出かけましょう。
2026年の予算感
- カジュアルなアラカルト: コーヒー付き・お酒なしで、一人あたり120〜200元。
- ドリンク2杯ほど付きの着席アラカルト: 200〜350元。
- 飲み放題(スパークリングワイン): おおよそ300〜450元。
- 飲み放題(カクテル込み・ホテルクラス): 450〜600元以上。
この2年ほどで価格は少しずつ上がっているので、あくまで目安として、確定額ではないと考えてください。上海ではサービス料が加算されることはあまりなく、チップも基本的に不要です。ほとんどのお店がWeChat Pay(微信支付)とAlipay(支付宝)にごく当たり前に対応しています。現金は、ごく小さな個人店のためにほんの少しだけ持っておけば十分です。
予約とタイミング
たいていの日曜日は、2つのルールで救われます。まず、予約すること。徐匯区や静安区の良い席は、週末ぶんが金曜のうちに埋まってしまい、晴れた日曜の正午に飛び込みで入ろうとするのは賭けです。お店のWeChat公式アカウントか大衆点評(Dianping)から予約し、確認画面はスクリーンショットを残しておきましょう。言葉の行き違いで予約がうやむやになることがあるからです。

次に、時間を選ぶこと。12時から13時半はピークで、店内は満席、厨房の待ち時間はいちばん長く、スタッフもいちばん慌ただしい時間帯です。にぎわいを楽しみたいならこの時間。テラスの席で温かい料理を食べたいなら、11時の開店直後の回を狙うか、最初の波が引ける13時45分すぎに入るのがおすすめです。飲み放題の場合は時間どおりに到着しましょう。ドリンクの制限時間は、最後の友だちがようやく現れた時ではなく、お店が定めた時刻から始まるからです。
過大評価、行かなくていいお店
誰も言わないので、正直なところを少しだけ。料理よりも先に「眺め」を売りにしているブランチは避けましょう。スカイラインを理由に割高な料金を取り、温め直した卵料理を出す外灘のルーフトップは、皿ではなく写真で商売をしています。巨大なホテルのビュッフェ形式のブランチも、シャンパンの飲み放題こそが本当の目的でない限りは要注意。一つのおいしい料理ではなく、平凡な40種類を食べすぎて終わることになりがちだからです。そして数か月おきに小紅書(RED)でバズって常に行列ができているお店は、たいてい6割がインテリア、4割が厨房。見分け方は、カクテルのリストが2ページあるのに料理のメニューは半ページ、というバランスです。

上手にいけば、上海のブランチは手間いらずのぜいたくです。歩いて回れる街並み、きちんと予約した席、しっかり味わえる料理、そして本当に飲みたかった一杯。この4つがそろえば、午後は自然といい流れになっていきます。そのままルーフトップへ流れることになったら、あとは別のルーフトップバーガイドにお任せください。
よくある質問(FAQ)
上海のブランチは何時から?
週末のブランチは、土曜と日曜のだいたい11時から15時ごろ。いちばん混むのは12時から13時半です。平日も終日朝食を出すカフェは一部ありますが、飲み放題を含む「フルのブランチ」はやはり週末のもの。いちばん落ち着いて過ごしたいなら、11時ごろの最初の回を選ぶか、13時45分すぎに入るのがおすすめです。
上海の飲み放題ブランチはいくらくらい?
スパークリングワインの飲み放題なら一人あたり300〜450元、ホテルクラスのお店でカクテルも込みなら450〜600元以上が目安です。制限時間はたいてい90分から2時間なので、予約の前にドリンクの時間制限を確認し、料理がセットかビュッフェ形式かもチェックしておきましょう。
上海でブランチといえばどのエリア?
徐匯区の武康路、安福路、常熟路あたりの並木道(地下鉄1号線・7号線)が、料理も雰囲気も含めていちばん総合力の高いエリアです。洗練されたホテルのブランチなら南京西路周辺の静安区、広さを求める大人数のグループや家族連れには西岸(ウェストバンド)が向いています。
ブランチは事前予約が必要?
人気店なら、答えはイエスです。徐匯区や静安区の良い席は週末ぶんが金曜までに埋まってしまい、晴れた日曜の飛び込みは賭けになります。お店のWeChat公式アカウントか大衆点評(Dianping)から予約し、確認画面は残しておきましょう。コーヒー中心のカジュアルなお店は比較的入りやすいですが、それでも早めの回のほうが正午の混雑を避けられます。



