上海で暮らす外国人がよくぶつかるトラブルの多くは、実は無料で対応できます。 労働仲裁は費用ゼロで、自分で代理もできます。
意外と逆に考えている人が多いのですが、上海で暮らす外国人がよくぶつかるトラブル、たとえば給料の未払い、不当解雇、大家さんが返してくれない敷金といったケースでは、実は誰かを雇う必要がないことも多いんです。上海の労働仲裁は無料で、申し立ても代理も自分でできます。本当に弁護士が必要なときは、中国の弁護士資格を持つ弁護士に頼む必要があります(大手の国際法律事務所は、法律上、中国の裁判所であなたの代理人になれません)。費用の目安は1時間あたり約200元から2,000元超(約30〜300米ドル)。さらに、誰でも無料でかけられる政府の法律相談ホットライン「12348」もあります。
知っておきたいこと
- こんな人に そもそも有料の弁護士が必要なトラブルなのか、必要なら中国の資格を持つ弁護士にいくらかかるのかを知りたい人。
- 費用 労働仲裁は申し立ても本人代理も無料。民間の中国弁護士は1時間あたり約200元から数千元(約30米ドルから数百米ドル)、内容がはっきりした案件なら定額料金も。
- 上手に使うコツ 給料、解雇、敷金のトラブルはまず無料の労働仲裁ルートから。見積もりは必ず書面でもらうこと。そして国際法律事務所は中国の裁判所であなたの代理ができない点を忘れずに。
本当に弁護士は必要?それとも自分で対応できる?
弁護士にお金をかけるべき問題もあれば、かけるだけ無駄な問題もあります。正直なところ、線引きはこんな感じです。
パターンはシンプルです。受け取るべきお金や単純なトラブルは、たいてい無料で自分で進める手続きから始まります。逆に、最初の文言が大事なもの(契約、会社、不動産購入)や、経歴やお子さんがかかっているものは、後からではなく早めにプロにお金を払うべき場面です。
多くの人が見落とす無料ルート:労働仲裁
相手が勤務先なら、まず向かうのは労働争議仲裁委員会。費用は一切かかりません。上海市政府の公式ページにも、労働争議の仲裁は無料だとはっきり書かれています。申し立て先は勤務地か、会社の登記地。申立書を自分で書けなければ口頭でも申請できますし、有効な就労許可を持って合法的に働いている外国人は、ほかの人と同じ保護を受けられます。委員会はおよそ5営業日以内に受理し、通常は45日前後で裁定が出ます。申し立て期限は、問題が起きてから1年です。
ここまでは弁護士なしでできます。弁護士に報酬を払う価値が出てくるのは、事実関係で争いになったとき、会社側が弁護士を立ててきたとき、就労許可が争いに絡んできたとき、あるいは請求額が大きいとき。たとえば不当解雇で2Nの補償金を求めるケースです。解雇を目の前にしているなら、まずN、N+1、2Nの経済補償金が実際に何を意味するかのガイドを読んでから判断してください。ちょっとした質問なら、上海の人社ホットライン12333が給与、契約、社会保険の相談に対応しています。

無料・低コストで受けられる法律サポート
知っておきたい公的サービスが2つあります。ひとつは12348公共法律サービスホットライン。司法部が運営する全国の「中国法律服务网」の一部で、平日に無料で法律相談ができ、外国人を含め誰でも利用できます。この電話1本で、そもそも争う余地があるのかがわかることも少なくありません。
無料で弁護士をつけてくれる正式な法律援助(法律援助)には収入基準があり、働いている外国人の多くはその基準を上回ります。ただし、給料未払いや労災補償の請求は通常の収入審査を免除されることがあります。外国人が利用できるかどうかは、母国との条約や相互主義によるため、自動的にではなく条件付きです。実際には、まずどんな場合でも無料の12348相談を最初の一手にして、正式な法律援助は収入が本当に条件を満たす場合のルートと考えておきましょう。
民間の弁護士に頼むと実際いくら?
民間の法律業務に公式の料金表はなく、渉外案件は国内案件より高めに請求されます。以下の金額はあくまで目安として、依頼する前に必ず費用を書面で合意してください。
契約書のチェックや争いのない案件など、内容がはっきりした依頼なら、青天井の時間制ではなく定額料金を頼みましょう。お金を取り戻したいケースなら、成功報酬型(风险代理)で受けてもらえるか聞いてみてください。一部の案件では認められています。

誰も教えてくれない落とし穴:外国の事務所は中国法を扱えない
有名どころにお金を払う前に、これだけは押さえておいてほしいポイントです。外国法律事務所の上海代表処は、中国法の業務ができず、中国法について正式な意見書も出せず、中国の裁判所や仲裁であなたの代理人にもなれません。それができるのは中国の資格を持つ弁護士だけ。国際事務所が担うのは、国をまたぐ案件や外国法に関する助言です。つまり、上海での裁判や労働仲裁が問題なら、ロゴにどれだけ安心感があっても大手グローバルブランドは答えになりません。英語のできる弁護士がいる地元の中国の事務所のほうが安く、しかも実際にあなたの味方として立てる唯一の選択肢です。
信頼できる弁護士の探し方
まずは自国の領事館から。上海にある領事館の多くは現地の弁護士リストを公開しています。掲載者を推薦するものではないという断り書きはありますが、外国人の依頼に慣れた事務所の候補リストとしては十分使えます。もうひとつの現実的なルートは、知人や会社からの紹介です。どこで見つけたにせよ、お金を払う前に本当に資格を持っているか必ず確認しましょう。上海市弁護士協会の公式サイト(东方律师网、lawyers.org.cn)や上海の弁護士信用情報システムで、その弁護士と事務所が登録されているか調べられます。信頼できる弁護士なら、聞かれても嫌な顔はしません。実は消費者としての返金や賃貸のトラブルだったという場合は、返金してもらう方法や賃貸で痛い目を見ないコツのガイドで、弁護士いらずで解決できるかもしれません。
ひとつだけ覚えておくなら:勤務先とのトラブルなら、お金を使う前に無料の労働仲裁を申し立て、12348に電話を。本当に弁護士が必要な案件は、中国の資格を持つ弁護士に頼み、資格を確認すること。有名な国際事務所は、ここ中国の法廷ではあなたの代理人になれないからです。
出典 · 资料来源
- 上海市発展改革委員会・上海市司法局 · 上海市发展和改革委员会、上海市司法局、「上海市弁護士サービス料金管理弁法」(2021年) · 上海市律师服务收费管理办法。市内の弁護士費用について政府指導価格と市場調整価格の範囲を定めたもの。fgw.sh.gov.cn
- 国家発展改革委員会・司法部 · 国家发展和改革委员会、司法部、「弁護士サービス料金管理弁法」(2006年、第611号) · 律师服务收费管理办法。時間制、定額制、成功報酬型を含む、法律事務所の料金体系に関する全国的な枠組み。ndrc.gov.cn
- 中華人民共和国司法部 · 中华人民共和国司法部、「中華人民共和国弁護士法」 · 中华人民共和国律师法。誰が資格を持つ弁護士として業務できるか、法律事務所の運営方法を定めた法律。moj.gov.cn
- 上海市司法局 · 上海市司法局、上海の弁護士サービス料金に定まった基準があるかについての公式案内 · 上海律师服务收费是否有标准。sfj.sh.gov.cn
- 本記事は公的な情報源に基づく一般的な案内で、法的助言ではありません。料金や規則は変わることがあるため、行動する前に所管機関または資格を持つ弁護士に最新の基準を確認してください。
孫子の「知己知彼,百战不殆」、彼を知り己を知れば百戦殆うからず。実はこれ、法律のアドバイスそのものなんです。乗り込む前に自分の立場とそれを支えるルールを理解しておけば、勝負の半分はもう決まったようなもの。弁護士なしで済むことも多いはずです。
よくある質問
上海の労働仲裁は無料ですか?
はい。上海市政府のページには労働争議の仲裁は無料と明記されていて、申し立ても代理も自分でできます。申立書が書けなければ口頭での申請も可能です。通常はおよそ5営業日以内に受理され、45日前後で裁定が出ます。申し立て期限は問題発生から1年です。
上海に住む外国人でも無料の法律サポートは受けられますか?
無料の12348公共法律サービスホットラインは、平日なら誰でも相談に使えます。弁護士をつけてくれる正式な法律援助には収入審査があり、働いている外国人の多くは収入が基準を超えて対象外になります。ただし給料未払いや労災の請求は審査が免除されることがあり、外国人が利用できるかは母国との条約や相互主義によります。
上海で英語が話せる弁護士の費用はいくらですか?
目安として、若手の現地弁護士は1時間あたり約200〜800元(約30〜120米ドル)、中堅は800〜1,500元(約120〜225米ドル)、シニアパートナーや専門家は2,000元(約300米ドル)以上です。渉外案件は高めで、費用は交渉可能、公式の料金表もないので、まず書面で費用を合意し、内容の決まった依頼なら定額料金について聞いてみましょう。
国際法律事務所は上海の裁判所で代理人になれますか?
いいえ。外国法律事務所の上海オフィスは中国法の業務ができず、中国の裁判所や仲裁であなたの代理人にもなれません。できるのは中国の資格を持つ弁護士だけです。国際事務所が扱うのは国をまたぐ案件や外国法の助言なので、上海での実際のトラブルには、英語のできる弁護士がいる地元の中国の事務所を選びましょう。



